2015年6月26日17時14分
6月20日のJリーグ第1ステージ第16節で、浦和レッズはヴィッセル神戸と1―1で引き分け、開幕から16戦無敗の記録とともにステージ優勝を飾りました。
我々Jリーグ広報部は優勝の喜びをより多くの方々に伝えるために、多忙なクラブの広報に代わり、優勝に王手が掛かった6月上旬から、テレビ各局のスポーツニュースやサッカー番組の担当者と、出演選手や出演時間について打ち合わせを重ねてきました。J1の場合、チェアマンが優勝トロフィーを授与するために、どの会場であっても直接足を運びます。最終節で複数のクラブに優勝の可能性がある場合は、チェアマン、専務理事、常務理事の順に表彰のスタンバイに入ります。
第16節の場合、浦和にとってはアウェーゲームですから、監督、選手、スタッフは午後8時25分新神戸発の新幹線で、その日のうちに東京に戻ることが決まっていました。表彰式を終えた後、通常のメディア対応の他に、神戸から東京までの移動時間中に放送されるスポーツニュースの事前収録を終えなければなりません。試合終了からスタジアム出発までの約90分間、広報部のスタッフは、浦和とメディアの間の調整役として走り回ることになります。
この90分間には当然選手のクールダウンやシャワーの時間も含まれていますので、非常にタイトなスケジュールであり、さらにこの日は、後半のアディショナルタイムが6分あったため、我々に与えられた時間はさらに短時間となる極めて厳しい状況でした。結局は、どうにか所定の取材スケジュールをこなして、選手を予定通りの時間に送り出すことが出来ました。
ここでほっと一息といきたいところですが、そうは問屋が卸しません。選手の送り出しをするやいなや、そそくさと自分の荷物を片付け足早に新神戸へと向かいます。東京のホテルで待ち構える五つの放送局の生放送に向けて、選手と同じ新幹線に乗らなければならないからです。新幹線の中ではホテルに着いてからの段取りを何度も何度もシミュレーションし、放送に穴が開かないよう備えます。
5人の選手(阿部、槙野、柏木、西川、武藤)とともにホテル到着後は、まさに分刻みの行動を余儀なくされます。ホテル内では隣り合う部屋の中に5局が連なる形で中継の装飾を施し、番組MCの方々が今か今かと待ち構えています。放送時間は調整の結果、各局の放送時間を微妙にずらして全ての番組に出演するようにし、優勝トロフィーと選手が放送開始に合わせて該当する部屋に入っていくという流れになっています。隣同士の部屋とはいえ、最短で1分の間に移動しなければならないタイミングもあり、とにかく時間のロスを起こさないよう選手に速やかな移動を促し、何とかミスなく全ての生放送の出演を終えました。
出演してくれた5人の選手たちは90分の激闘や長時間の移動にもかかわらず、最後まで明るく元気な笑顔をテレビカメラに振りまいてくれました。特に槙野選手は番組のMC側で他の選手をイジるなど、タレントさながらの活躍ぶりでした。朝9時にスタジアム入りしてから約16時間、優勝するかしないか不透明な状況を経ての優勝対応は、本当に長くて疲労感の高い1日でしたが、毎年この瞬間に立ち会えるのは我々だけであり、だからこそリーグの広報として責任を持って優勝クラブのそれぞれの喜びを、電波を通じて余すことなく伝えることに全力を尽くさなければならないと、気を引き締める1日でもありました。
今年は2ステージ制+チャンピオンシップという新しい大会方式の初年度として、6月の時点で早くも第1ステージの優勝対応をすることになりましたが、このあと第2ステージおよびチャンピオンシップの優勝対応もありますので、あと2回皆さんに優勝の喜びをお伝えする機会があります。その際には、選手たちのカメラには映らない頑張りを想像しながら、スポーツニュースのザッピングを楽しんで頂ければと思います。
今回の優勝では、新たな取り組みとして、「Twitter Mirror」という企画に取り組みました。これは番組に臨む選手たちの素顔を撮影し、その画像に選手直筆のメッセージを入れTwitter上で発信することで、多くのファン、サポーターに番組告知を兼ねて楽しんでもらおうというものです。出演時間の合間の忙しい時間にもかかわらず、選手たちは楽しんで企画に協力してくれ、そしてスタジアムでは見られない楽しげな一面を垣間見ることができました。もしかしたら彼らの素顔を間近で見ていた私が一番楽しませて頂いたのかもしれません。
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吉田 国夫(よしだ くにお)
Jリーグ広報部リーダー。大学卒業後、放送局勤務、プロ野球球団のフロントスタッフを経て、2009年にJリーグに転職し現在に至る。
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