アクションゲーム

アクションゲーム(英: action game)はプレイヤーがキャラクターをリアルタイムで操作するコンピュータゲームの総称・ジャンルである[1][2]。英: skill-and-action game とも[3][2]。ACT、ACGとも略される[要出典]。
概要
[編集]アクションゲームは現実のプレイヤーがコントローラーを介してゲーム世界内のキャラクターをリアルタイムで操るコンピュータゲームの総称・ジャンルである(⇒ #定義)[1][2]。プレイヤーはボタンやレバーで素早く入力をおこなう[1][2]。この入力に応じて動物・ロボット・機械等のプレイヤーキャラクターがゲーム内世界でリアルタイムに動く[1]。この動きがゲーム世界へ影響してキャラクターの状況が変わる。この画面を見てプレイヤーは新たな操作をおこない、それに即応してキャラクターが動き…という、「リアルタイム操作によるプレイヤーとキャラクターの一体感」というプレイ体験をもたらすコンピュータゲームがアクションゲームである(⇒ #特徴)[2][4]。キャラ操作より判断・意思決定に焦点を当てたストラテジーゲームとしばしば対比される[5]。
世界で最も売れた家庭用ゲームである『スーパーマリオブラザーズ』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』はアクションゲームである(⇒ #タイトル)。アクションゲームには長い歴史があり(⇒ #歴史)、そのなかで多様なサブジャンルを産んできた(⇒ #分類)。アクションゲームはコンピュータゲームの一大ジャンルであり、2015年の日本におけるゲームアプリ市場での年間ダウンロード数は8,630万回[6]、家庭用ゲーム市場での年間販売本数は1,267万本[7]でともに首位である。
定義
[編集]コンピュータゲームにおけるアクションゲーム(英: action game)は、現実のプレイヤーがコントローラーを介してゲーム世界内のキャラクターをリアルタイムで操るコンピュータゲームの総称・ジャンルである[1][2]。
アクションゲームではプレイヤーが素早く入力し[1][2]、その入力に即応してキャラクターが動き、その動きに反応してゲーム内世界が変動し、その変動によってキャラクターの状況が変わり、この変化をみたプレイヤーがまた素早く入力をする。このリアルタイムのループがアクションゲームを定義づけている[2]。
この定義は格闘ゲーム・スポーツゲーム・シューティングゲーム・レースゲーム等を内包している[8][9]。歴史的にもこれらのゲームはアクションゲームの一種として扱われている[10][11]。
一方で、シミュレーション的要素が強いこれらを除いた、プレイヤーの操作に即応してキャラクターが単純化や誇張を多く含む形で動くコンピュータゲームのみをアクションゲームと呼ぶべきという主張も存在する[12]。
タイトル
[編集]特徴
[編集]目と頭と手の素早い協調
[編集]アクションゲームはプレイヤーに目と頭と手の素早い協調を要求するという特徴を持つ[13][14]。
アクションゲームではゲーム世界の状況を目や耳で受け取り、起きた現象を頭で認識・確認し次の行動を判断し、ゲームに対し手や足で行動命令を入力する(⇒ #定義)[1][2]。これをリアルタイムに行い続けるため、プレイヤーには目と頭と手の素早い協調が要求される[13][15]。
例えば『スーパーマリオブラザーズ』では画面を目でよく見て、敵のお化けキノコの接近を頭で認識・確認し低いジャンプで避けて踏み潰す判断を下し、ジャンプボタンを短く手で押す[16]。目を瞑れば状況を認識できず、判断を迷えば敵の突進で死に、ボタン長押しは高いジャンプで敵を取り逃がす。最初のザコ敵を倒すのにさえ目と頭と手の素早い協調が要求される[13]。より複雑なゲームであれば、彼我の動きと体力を常に見て、予備動作や攻撃ヒットを確認して次の行動を即断し、複雑な必殺技コマンドを素早く正確に入力する必要がある[15]。 これは目と頭と手の協調を強くは要求しないストラテジーゲームやドラゴンクエスト的なRPGと対照的である[5]。人によってはアクションゲームを避ける要因にもなるが、下記のように、他では得難いゲーム体験の主要因にもなっている。
キャラクターとの一体感
[編集]アクションゲームはプレイヤーにキャラクターとの一体感を与えるという特徴を持つ[17][18][19][20][21]。
初見のプレイヤーは目と頭と手の素早い協調が難しく、キャラクターはぎくしゃく動く[22]。慣れるにつれミスは減り反応は速くなり、習熟すれば反射的に画面情報を処理し決断しコントローラを意識せずにアクションが取れる[23]。この習熟はプレイヤーにキャラクターとの一体感を与え[22]「キャラクターが自分の手足の延長に感じる」とも形容される感覚をもたらす[17][18][19][20](参考: 道具の身体化[24][25])。
非現実的な身体感覚
[編集]アクションゲームはプレイヤーに非現実的な身体感覚を与えるという特徴を持つ[21][26][27]。
ゲームは一般人に到底できない又は物理法則を無視したキャラクターの動きを実現できる[21][28]。あるタイトルに習熟したプレイヤーはそのキャラクターとの一体感を持つため、キャラクターの非現実的な動きがあたかもプレイヤー自身の動きのように感じる[26][27][20]。つまりゲームプレイによって非現実的な身体感覚を得られる[26]。
一例として『スーパーマリオブラザーズ』のジャンプの浮遊感[27]、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のランの疾走感[29]、『ストリートファイターII』の運動の超人感[17]、『アーマード・コアVI』の身体の重量感[20]、新たな器官の感覚[26]、が挙げられる。
分類
[編集]



アクションゲームは様々な観点から分類できる。以下はその一例である。
なお、日本は『ドンキーコング』(1981年)、『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)、『悪魔城ドラキュラ』(1986)、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(1991年)、『スーパーマリオ64』(1996年)といったプラットフォームゲームの金字塔的タイトルを多数輩出しており、日本で「アクションゲーム」というと「ジャンプでステージを攻略していくタイプのプラットフォームゲーム」が想起されやすい[30]。
アクションの意味による分類
[編集]アクションゲームはアクションの意味に基づくと、以下のように分類できる:
アクションの種類による分類
[編集]アクションゲームはアクションの種類に基づくと、以下のように分類できる:
- プラットフォーム・ゲーム: ジャンプ等の足場移動アクションが主役
- ドットイートゲーム: 歩き等の移動アクションが主役
目的による分類
[編集]アクションゲームはアクションの目的に基づくと、以下のように分類できる:
ゲーム進行による分類
[編集]アクションゲームはゲーム進行に基づくと、以下のように分類できる:
- 2Dアクションゲーム
- 固定画面アクション
- ベルトスクロールアクションゲーム
- 横スクロールアクションゲーム: 横視点・サイドビューで画面が縦か横にスクロール。
- 縦または全方向スクロール: 真上視点・トップビューでスクロール。
- クオータービューアクション: 疑似的に3D感のある斜め視点。
- 3Dアクションゲーム
- 奥スクロール
視点による分類
[編集]アクションゲームはプレイヤーキャラの視界によって世界が表現される「一人称視点ゲーム」と、外部の視点によって世界が表現される「三人称視点ゲーム」に分類できる。
一人称視点ゲームは臨場感は高いが、キャラの全身を直接見ることができない。接近時の位置関係がわかり辛く、ある程度の距離を置いての操作に向く。三人称視点ゲームでは視点の場所がキャラの背面に固定され自動で動くタイプとプレイヤーが任意に操作できるタイプがある。
プレイフィールによる分類
[編集]アクションゲームはプレイフィールに基づくと、以下のように分類できる:
- 無双系アクション
- ソウルライク
複合ジャンル
[編集]他のゲームジャンルと複合しているものは以下のように分類できる:
- アクションロールプレイングゲーム: RPG(ロールプレイングゲーム)の要素が入っているもの。
- アクションアドベンチャーゲーム: ADV(アドベンチャーゲーム)の要素が入っているもの。
- 対戦アクションゲーム: 対戦型ゲームの要素が入っているもの。
- 対戦型格闘ゲーム: 例として『ストリートファイターII』[31]
- 対戦型プラットフォームゲーム
- プラットフォームファイター: 例として『大乱闘スマッシュブラザーズ』[32]
歴史
[編集]呼称の歴史
[編集]アクションゲームに相当するゲームの歴史と、「アクションゲーム」という呼び名の歴史には順序の逆転がある。本節で呼称の歴史を述べたうえで、以降の節ではこの呼称が登場する以前の「アクションゲームに相当するゲーム」もアクションゲームと呼ぶ。
1977年にアメリカで登場した家庭用ゲーム機 Bally Astrocadeではゲームソフトのジャンル分けの一つに「ACTION/SKILL」があり[3]、これがコンピュータゲームのジャンルにおける "action" の最初期の事例である。その後、1980年頃のアメリカではパソコンゲームの記事や広告に "action game" の語がみられる[33]。
日本では、北米産ゲームの輸出入を手掛けていたスタークラフトがパソコン雑誌に出稿した広告に「アクションゲーム」の語があり、遅くとも1982年前半頃には使われていた[34]。そのため「アクションゲーム」の呼称はアメリカでの用法に由来すると考えられている[35]。その後、ゲーム雑誌のゲーム紹介におけるゲームジャンル名などを通して一般化していった[36][11]。
以降はアクションゲームそのものの歴史である。
1970年代
[編集]アクションゲームの原型は、1972年に北米で発売されたアーケードゲーム『ポン』(アタリ)にさかのぼる。卓球を当時の技術でコンピュータ上に再現したシンプルなゲームだが、ピンポンを打ち返す際に角度や速度を変える戦略性が人々の心をひきつけ、大ヒットにつながった。その結果人気にあやかったコピーゲームが濫造されることとなり、1973年に日本で発売された『ポントロン』(セガ)と『エレポン』(タイトー)もその1つである。
1976年に北米で発売の『ブロッケード』(グレムリン・インダストリー)は初期のアクションゲームの1つである。ポンに類似した「パドルとボール」のゲームが氾濫していた中、動き続ける自機を操作して生き残りを競うこのゲームのヒットはアクションゲームに進化の先鞭を付け、以降着実に多様性を増していくこととなる。1979年に日本で発売された『ボムビー』(ナムコ)は、ブロックくずしとピンボールの組み合わせにカラー表示という当時は珍しい機能を搭載し、そのノウハウは翌1980年発売の『パックマン』に活かされている。
1980年 - 1985年
[編集]1980年にアーケードで発売の『パックマン』(ナムコ)は、画面内のドットを食べつつモンスターとの駆け引きも楽しめるゲーム性が人気を博し、業務用ゲームとしては異例の世界で28万台(正規品のみ)を出荷するギネス記録となった。日本でのブームは比較的早く終了したものの、北米では長く親しまれ3年後の1983年にはナムコ社のパックマン関連のロイヤリティ収入が60億円にものぼった。アニメ版やディスコサウンドでも大健闘し、コンピュータゲームのメディアミックス展開が有効であることを証明した。
1981年に発売された『ドンキーコング』(任天堂)は、ドンキーコングが投げるタルや敵キャラをマリオがジャンプで避けながら進み、さらわれた恋人を救出するゲームである。このゲームは、不良在庫となっていた『レーダースコープ』の在庫処分のため急きょ作られたものであったが、難易度の上下だけでなく異なる複数のステージを盛り込むという努力により当時のユーザーの心をつかんだ。後のドンキーコングシリーズ、マリオシリーズの基礎を築いたゲームでもある。
1983年に発売された『シンドバッドミステリー』(セガ)は、宝探しをテーマに据えることで推理と探索の要素を盛り込みアクションゲームに新風を吹き込んだ。地図上から宝の位置を推測し掘り出していくゲーム性はアクションアドベンチャーゲームの先駆けともいえるものである。また、この年は後に大ヒットとなる家庭用ゲーム機『ファミリーコンピュータ』(任天堂、以下ファミコン)が発売され、アクションゲームはアーケード・家庭用双方の市場で発展を続けていく。
1985年にファミコンで発売された『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)は、横スクロールにジャンプアクション、様々なパワーアップアイテム、豊富なステージと陽気なキャラクター・音楽が広く受け入れられ、最終的に日本で681万本、世界で4024万本の歴史的大ヒットを記録した。このゲームの登場により、着実に進化を続けたアクションゲームは一躍大人気ジャンルとなり、無数の派生ゲームが作られるようになった。
1986年 - 1994年
[編集]この時代は、2Dアクションに多様な分化が見られた1980年代後半と、2D対戦格闘ゲームのブームに支えられた1990年代前半に分けられる。
『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)の歴史的ヒットにより、アクションゲームはゲームジャンルの頂点に君臨するようになる。その中で多数の派生ジャンルが出現し、この時代は黄金期と言えるほどの繁栄を見た。1990年代に入ると2D対戦格闘ゲームが大ブームとなり、『ストリートファイターII』(1991年・カプコン)や『餓狼伝説 宿命の闘い』(1991年・SNK)を始めとしたタイトルが家庭用・アーケード問わず人気を博した。
- 横スクロール
- 1991年にメガドライブで発売された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(セガ)は、先の展開を予測できない高速スクロールがユーザーに受け、世界で400万本を出荷するヒットとなった。
- 2D対戦格闘
- 初期の2D対戦格闘ゲームの名作として、1987年にアーケードで発売された『ストリートファイター』(カプコン)がある。後のシリーズとは筐体が異なることもあり、本作はどちらかと言えば体感ゲームの色彩が濃いが、キャラクターが持つ迫力や動きは本ジャンルの基礎となった。
- 3D対戦格闘
- 1993年にアーケードで発売された『バーチャファイター』(セガ)は事前の評価が低かったものの、3Dポリゴンによる立体的なキャラクター・ステージが徐々に人気を集め、1994年に続編『バーチャファイター2』が発売されると一気に社会現象を引き起こした。『2』ではグラフィックが飛躍的に向上し、キャラクターの姿はなめらかでリアルなものへと進化した。
- ベルトアクション
- 本ジャンルの元祖である1986年にアーケードで発売の『熱血硬派くにおくん』(テクノスジャパン)は、日本の不良を題材にケンカを彷彿とされるアクションが人気を博した。
- アクションアドベンチャー
- 1986年にファミコンで発売の『ゼルダの伝説』(任天堂)は、綿密に練られた世界観と謎解き、アクションが好評で、日本で169万本、世界で651万本を出荷する大ヒットとなった。
- 縦スクロール
- 1989年にアーケードで発売された『ワルキューレの伝説』(ナムコ)は、主人公ワルキューレの魅力とグラフィック・音楽などが高水準でまとまっていたため高い評価を得た(なお『ワルキューレの伝説』は縦方向へのスクロールが主であるが、横方向にスクロールする場面も多数ある)。
- 固定画面アクション
- 1986年にアーケードで発売された『バブルボブル』(タイトー)は、泡で敵を閉じ込めて割るユニークなゲーム性で多くのファンを獲得した。
- ステルスゲーム
- 本ジャンルの元祖である1987年発売の『メタルギア』(コナミ)は、主人公スネークを操作して敵地に潜入し敵に見つからないように進むアクションが斬新で人気を博した。
- アクションシューティング
- 1987年にアーケードで発売の『魂斗羅』(コナミ)は、エイリアンの侵略をテーマに超人の主人公が織りなすアクションが好評でシリーズ化された。
1995年 - 2000年
[編集]1990年代も半ばを過ぎると、2D対戦格闘ゲームのブームは3D対戦格闘ゲームに移ったが、家庭用・アーケードともに操作の複雑化などで初心者離れが発生し人気は下降し始めた。時を同じくして、日本の家庭用市場ではターン制コンピュータRPG、アーケード市場ではメダルゲームや音楽ゲームなどが台頭し本ジャンルを圧迫するようになった。2000年頃になると一連の対戦格闘ゲームのブームは終息し、アーケード市場におけるアクションゲームはマニア層以外からの支持を失った。
この時代は、技術の進化にあわせて3Dアクションゲームが多く作られるようになった。1996年にNINTENDO 64で発売された『スーパーマリオ64』(任天堂)は、立体空間でのグラフィックやアクション、視点操作のデファクトスタンダードとなり、本作の大ヒットが2Dアクションから3Dアクションへの大きな流れとなった。ファミコン時代以来分化してきた2Dアクションは3Dゲームブームの波で激減し、アクションゲームは大きな転換点を迎えた。
- 横スクロール
- 1995年にメガドライブで発売された『リスター・ザ・シューティングスター』(セガ)は、主人公リスターの手を用いた特徴的なアクションと多彩なステージが高い評価を得た。
- 2D対戦格闘
- 1997年にアーケードで発売された『ストリートファイターIII』(カプコン)は、キャラクター・時間軸の一新やブロッキングシステムの導入により鳴り物入りで登場したが、ブームの沈静化とプレイヤー間の格差がネックとなり当初は出遅れた。これを打開するためアップグレードが繰り返され、1999年発売の『3rd』は熱心なファンを中心に支持を固めることができた。
- 3D対戦格闘
- 1996年にアーケードで発売の『ソウルエッジ』(ナムコ)は、武器を用いた格闘アクションと斬新な操作システム、リングアウトの存在などが好評でシリーズ化された。
- ベルトアクション
- 1997年にアーケードで発売された『バトルサーキット』(カプコン)は、コミカルな世界観やキャラクターのパワーアップ・アップグレードによる戦略性がユーザーに受け、絶滅寸前だった同ジャンルの人気を支えた。
- 3Dアクション
- 1996年にアーケードで発売の『ダイナマイト刑事』(セガ)は、テロリストが立てこもるアメリカ・サンフランシスコを舞台に、主人公の刑事が様々な兵器を用いて戦うアクションが人気を博した。
- 対戦アクション
- 1999年にNINTENDO64で発売された『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(任天堂)は、任天堂のキャラクターが乱闘を行う話題性と、複雑なコマンドを排除した明快な操作性が大ヒットにつながった。対戦格闘ゲームとは異なる、読みあいを軸とした様々なテクニックの応用が特徴である。
- アクションシューティング
- 1996年にアーケードで発売の『メタルスラッグ』(SNK)は、非常に細かく描かれたグラフィックと敵をひたすら倒していくわかりやすさ、多彩な乗り物と高い難易度が硬派なゲーマーを中心に支持された。
2001年 - 2005年
[編集]21世紀に入ると、アーケード市場においてアクションゲームはあまり製作されなくなり、家庭用市場が発展の主軸となった。
ブームが終息した対戦格闘ゲームの製作数は大幅に減少したが、その穴を埋めるように3Dアクションゲームが人気を博すようになった。2001年にPlayStation 2で発売された『真・三國無双2』(コーエー)や『鬼武者』(カプコン)、2002年にPlayStation 2で発売された『キングダム ハーツ』(スクウェア)などがその最たる例である。世界では『グランド・セフト・オート』(Rockstar Games)に代表されるクライムアクションゲームがブームとなった。
一方で、2004年にはゲームボーイアドバンス向けに『ファミコンミニ』シリーズが発売され、すっかり下火になっていた2Dアクションの人気を後に再燃させる一因になった。2005年にPlayStation Portableで発売された『モンスターハンター ポータブル』(カプコン)は、雄大な世界観をバックに友達と協力し、大型モンスターを狩る楽しさが口コミで徐々に広まった。後にハンティングアクションという新しいジャンルを確立することになる。
- 横スクロール
- この時期はゲームボーイアドバンスを中心にリメイク・移植作の発売が相次いだ。2004年にゲームボーイアドバンスで発売の『ファミコンミニ スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)は、ジャンプやパワーアップアイテム、陽気な音楽といったスーパーマリオの原点が再び評価され、日本で138万本のヒットを記録した。
- 3Dアクション
- 2001年にPlayStation 2で発売された『デビルメイクライ』(カプコン)は、華麗にコンボを決めることで攻撃を評価するシステムが人気を博した。
- ハンティングアクション
- 2004年にPlayStation 2で発売の『モンスターハンター』(カプコン)は、レベル制の排除による敷居の低さと少人数のパーティー・短時間でクエストを遂行するインターネット協力プレイがユーザーの心をつかんだ。一方オフラインのみで遊ぶプレイヤーも多く、豪壮な世界観やハンター稼業を疑似体験できるリアルさも人気の秘訣だった。
- アクションシューティング
- 2001年にアーケードで発売された『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』(バンダイ)は、人気の高いガンダムを題材にしたこと、操作を可能な限り簡略化することで初心者でも容易に機体を動かせることがヒットにつながった。
- その他
- 2003年にゲームボーイアドバンスで発売された『メイド イン ワリオ』(任天堂)は、「瞬間アクション」と銘打った数秒で終わるミニゲームを多数収録し、手軽かつ短時間でも遊べるゲーム性が好評でシリーズ化された。
2006年 - 2012年
[編集]この時代は、日本ではハンティングアクションが大きなムーブメントとなり、各々が携帯ゲーム機を持ち寄って狩りに出かけるスタイルが定着した。一方世界では引き続きクライムアクションが人気を維持した。2010年代に入るとスマートフォンゲーム市場の拡大が顕著となったが、移り変わりの激しい同市場にとってもアクションゲームは大きな存在であった。スマートフォンゲームの拡大を追い風に2Dアクションの人気も復活し、手軽で簡単な操作が再評価された。
- 横スクロール
- 2007年にiアプリとして配信開始した『ワルキューレの栄光』(バンダイナムコゲームス)は、複雑な入力を排除した良好な操作性と多彩なBGMが評価された。
- ベルトアクション
- 2012年にニンテンドー3DSで発売された『閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達-』(マーベラスAQL)は、詳細なキャラクター設定と魅力的な少女達、ボタン連打により次々コンボが決まる爽快さが人気を博した。
- アクションシューティング
- 2012年にニンテンドー3DSで発売された『新・光神話 パルテナの鏡』(任天堂)は、ハイスピードに展開する奥の深いアクションと、弾く・止めるを基本とする独自のカメラ操作が評価された。
- アクションアドベンチャー
- 2012年にPlayStation 3で発売された『風ノ旅ビト』(SCE)は、はるか彼方にある山頂(ゴール)をめざして砂漠や遺跡、未知の生物の襲撃をくぐり抜ける果てしない冒険体験が高い評価を得た。
- その他
- 2012年にPlayStation 3で発売された『TOKYO JUNGLE』(SCE)は、人類が姿を消し廃墟となった東京を舞台に、多様な動物を操作して生き残りを競うアクションが好評を得た。
2013年 -
[編集]ここ3年ほどの日本におけるアクションゲームは、家庭用市場ではプラットフォーマー(マリオ系)とハンティングアクションのブームが継続し、市場シェア1位を堅持している。スマートフォンゲーム市場では、2012年頃まで多数のヒット作が出現し市場をけん引してきた[37]。しかしソフトの移り変わりの早さや、家庭用市場の大手2社が未参入・苦戦していること、ロールプレイングゲームが大ブームとなっている影響から、2014年の市場シェアはダウンロード数1位、金額ベース2位となっている[38]。
非電源式ゲームにおけるアクションゲーム
[編集]非電源式ゲームにおけるアクションゲーム(英: action game)は盤面や小道具に動きがある非電源式ゲームの総称・マーケティングフレーズである[39]。
テレビゲーム機が広まるより前、遅くとも1970年代前半には、非電源式ゲーム・ボードゲームにおいてアクションゲームという言葉が使われていた[39][40]。一例として、1960年発売の『人生ゲーム』のパッケージには「A FULL 3-D ACTION GAME」と記載されていた[41]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7
アクション‐ゲーム(action game) コンピューターゲームの一種で、ゲーム中のキャラクターをボタンやレバーで素早く操作し、勝敗や得点を競うもの。
(kotobank-アクションゲーム) - 1 2 3 4 5 6 7 8 9
SKILL-AND-ACTION GAMES ... This class is characterized by real-time play ... and the use of joysticks or paddles rather than a keyboard. The primary skills demanded of the player are hand-eye coordination and fast reaction time.
(Crawford 1984, p. 20) - 1 2
アメリカ ... 1977年にバリー社が発表した家庭用ゲーム機で、ソフトを「STRATEGY」、「SPORTS」、「EDUCATION」そして「ACTION/SKILL」とジャンル分けしていた。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
ゲーム性以外の面白さ ... 操作が楽しいもの。ビデオゲームは操作をするだけでも楽しいと感じさせることができます。
桜井政博「ゲーム性以外の面白さ 【ゲーム性】」『YouTube』、該当時間: 0:252022年10月17日。 - 1 2
I divide computer games into two broad categories: skill-and-action (S&A) games (emphasizing perceptual and motor skills) and strategy or cognitive games (emphasizing cognitive effort).
(Crawford 1984, p. 19) - ↑ 『2016 CESAゲーム白書』 138頁
- ↑ 『2016 CESAゲーム白書』 150頁
- 1 2 3 4 5
アクション‐ゲーム ... スポーツ・格闘技・レースなどを題材にしたもののほか、シューティングゲームも含む。
(kotobank-アクションゲーム) - 1 2 3
group skill-and-action games into six categories: combat games, maze games, sports games, paddle games, race games, and miscellaneous games.
(Crawford 1984, p. 20) - 1 2
ログイン ... 1983年5月号 ... 『XEVIOUS』(ゼビウス)の ... テーマは、背景がスクロールするタイプの戦闘ゲーム ... この「戦闘」には「アクション」というルビが振られている。つまり、いまで言うシューティングゲームは、アクションゲームに分類されていた
(タイニーP 2017, p. 1) - 1 2 3
パソコン入門マンガ『こんにちはマイコン』の2巻目 ... 1983年8月 ... パソコンゲームのジャンル別紹介でも、アクションゲームを「“スペースインベーダー”等の、反射神経を競うゲームだ。」と説明している。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
「アクションゲーム」のより実態に近い説明 ... ビデオゲームの一種で、画面上のキャラクター等がプレイヤーの操作に即応して動き、その操作と動きとの関係に、漫画的な単純化や誇張が多く含まれているもの。
(タイニーP 2017, p. 2) - 1 2 3
SKILL-AND-ACTION GAMES ... The primary skills demanded of the player are hand-eye coordination and fast reaction time.
(Crawford 1984, p. 20) - ↑
アクションゲーム ... 上手にコントロールすることが求められる
(シェループ 2026) - 1 2
『確認』... これができるできない、またはできるレベルによって、その人の強さ自体が確実に変わってくる
マゴ (2018-06-26). “「確認」という、基本にして神髄。スト5ゲーマー・マゴのゲーム人間論 第16回”. GAMERS ZONE. - ↑
スーパーマリオブラザーズ ... ジャンプアクション主体で、上から踏んだり ... する攻撃 ... ボタンを押している長さ ... によってジャンプの高さ ... が変わり
稲元徹也 (2025-09-13). “「スーパーマリオブラザーズ」発売40周年! 1985年に確立された横スクロールアクションの系譜は、令和の世代にも受け継がれる”. GAME Watch. - 1 2 3
格闘ゲームは数あるゲームジャンルの中でも最もキャラクターと一体感を得られるジャンル ... このレスポンスの速さ ... 「キャラクターが自分の手足の延長に感じる」とすら錯覚しうる、他にはない一体感と爽快感を生み出している
井口屋タクミ (2012年7月25日). “クリエーターコメント:P4Uディレクター アークシステムワークス井口屋氏”. PERSONA ペルソナ 広報BLOG. アトラス. 2026年6月18日閲覧。 - 1 2
操作性が難しすぎて最初はまともに遊べず。それでも続けていく中で、どんどん自分の手足のように機体を動かせるようになって。“機体を乗りこなす”ことの楽しさを知って ... ハマっていきました。
Mr.Katoh (2026-06-15). “運命の出会いは『アーマード・コア』―約8年開発中のハイスピードACT『オメガフェネクス』話題沸騰中のワケは?βテスト参加にまだ間に合う開発者インタビュー【ゲムスパロボゲーカタログ特別版】”. Game*Spark. - 1 2
相手の隙に対して ... テレビの前で「食らえぇー!」と叫ぶ「一瞬」で体力を消し飛ばす一体感があります。
KAMEX (2019-07-12). “Game*Sparkレビュー:『サムライスピリッツ』”. Game*Spark. - 1 2 3 4
ACの強烈な実在感 ... ぶつかり合う重量感 ... その手触り,鉄と硝煙のテクスチャーこそが,わたしに夢想ではないオルタナティブな身体を実感させる手がかりだった。ミッションを重ね,ACの一挙手一投足を制御していく毎に,わたしはACにこの上ない一体感を覚えるようになった。
kani_pepsi (2025-06-28). “クィアゲーマー魂の1本:第4回はkani_pepsiさんと「ARMORED CORE VI」。身体を選択・交換することと,トランスネスの共鳴”. 4Gamer.net. - 1 2 3
ビデオゲームは操作をするだけでも楽しいと感じさせることができます。モニターの中という自然の法則から解き放たれる空間は現実世界に生きる我々にとって実に不思議かつ魅力的なものです。
桜井, 政博 (2024年10月17日). ゲーム性以外の面白さ 【ゲーム性】. YouTube. 該当時間: 0:28-0:45. - 1 2
アクションゲーム ... は ... 動かす楽しさともどかしさ ... が体験の肝 ... 思うがままに動かせる楽しさ
(シェループ 2026) - ↑
ストレイフジャンプに習熟すると、もはや無意識にこのテクニックを使いこなすことができる
(藤田 2016) - ↑
人間ーコンピュータ相互作用における理想の設計とは,ユーザが操作インタフェースを意識することなく (道具の身体化 ... ),タスクの処理に対する認識資源の投入に集中できるようなものである
p.120 より引用。藤井, 大輔 (1995). “マルチエージェントを用いた‘Calculation'プレイ支援システムの検討” (PDF). 情報処理学会研究報告. AI-99-16: 119–126. - ↑
インターフェイス ... はビデオゲームにも存在する。... インターフェイスを通じたスムーズな操作は、習熟するにつれて、プレイヤーに自分の身体が拡張されたかのような感覚を与えてくれる。
(藤田 2016) - 1 2 3 4
ゲームは、虚構世界における拡張された身体性をプレイヤーに習得させる。それは、自分の身体がもうひとつ増えたような感覚、新しい足や手が生えたような感覚をプレイヤーに与える。もしその新しい器官を使って、その世界に影響を与えることができるのだとしたら、こんなに新しく、楽しい体験はない。
(藤田 2016) - 1 2 3
マリオのジャンプが非常に気持ちよかった ... ジャンプ中に方向転換 ... 気持ちが乗りうつるアクションの数々。ファンタジックで面白かった。 宮本:... 『スーパーマリオブラザーズ』では、空中でかなり動けるようになった。徐々に「物理的な現実」よりも、「遊び手としてこうあってほしい」という方向に歩み寄っているんです。
hamatsu (2018-06-19). “『パックマン』にはじまり『スーパーマリオ』でひとつの完成形に達した“キャラクターの身体機能”「なんでゲームは面白い?」第11回”. 電ファミニコゲーマー. - ↑
ストレイフジャンプは現実世界ではありえないような動きを可能にする
(藤田 2016) - ↑
アクションゲームに革命を起こした初代 ... ソニック・ザ・ヘッジホッグ ... 「ソニック」でしか味わえない疾走感
遠藤浩之 (2020-03-25). “【メガドラミニW AE収録タイトルレビュー】「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」 音速のハリネズミが駆ける、ハイスピードアクションゲームの原点!”. GAME Watch. - ↑
"アクションゲーム"、いわゆるジャンプがあるようなタイプのゲーム
桜井, 政博 (2024年2月23日). アクションゲームのゲーム性 【ゲーム性】. YouTube. 該当時間: 0:05-0:12. - ↑
『ストリートファイター6』ディレクターの中山貴之 ... 中山氏:... 「対戦格闘ゲーム」は、言ってしまうとアクションゲームの中のカテゴリーのひとつです
p.1 より引用。ジスマロック (2024-06-29). “【特別対談】『ストリートファイター6』中山貴之・松本脩平 ×『ゼンレスゾーンゼロ』李振宇―「触りやすさ」と「奥深さ」をどう両立する? 娯楽が溢れる現代で「ゲームの面白さ」を知ってもらう方法”. 電ファミニコゲーマー: 1-3. - ↑
platform fighter since Smash Brothers
Mitchell Saltzman (2026-03-26). “Combo Devils Is My Favorite New Fighting Game You Probably Haven’t Heard Of Yet”. IGN. - ↑
アメリカ ... パソコンゲームの記事や広告でも、1980年ごろには「action game」という言葉が出てきている。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
北米とのあいだでパソコンゲームの輸出入を手がけていたスタークラフト社 ... は、日本のパソコン雑誌に出した広告で、遅くとも1982年の前半ごろにはこの言葉を使っていた。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
アメリカ ... 1980年ごろには「action game」という言葉が出てきている。日本で、ビデオゲームに対して「アクションゲーム」という表現が使われ始めたのは、これらの影響のようだ。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
ログイン アスキー ... から刊行されていた、パソコンゲームをおもに扱ったパソコン/ゲーム雑誌。... 1983年4月号からは ... 各作品のジャンルを示すシンボルマークを導入し ... 「アクションゲーム」、「シミュレーションゲーム」、「アドベンチャーゲーム」、「ロールプレイングゲーム」... 「テーブルゲーム」... 5種類だった。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑ “アプリゲット”. スパイシーソフト. 2015年8月17日閲覧。
- ↑ “ファミ通.com”. KADOKAWA. 2015年8月17日閲覧。
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「アクションゲーム」という言葉は、遅くとも1970年代初頭には、玩具業界で使われている ... おもに室内向けのゲーム玩具のうち、盤面に動きがあるもの、あるいはビー玉くらいまでの大きさの球を派手に動かしたり、弾いたりするものなどを指した
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
玩具の「アクションゲーム」は、1970年代の朝日新聞の記事でも使われた例があった。
(タイニーP 2017, p. 1) - ↑
日本で『人生ゲーム』としてよく知られている ... ゲームがアメリカのミルトンブラッドレー社から発売されたのは、1960年 ... そのパッケージには当初、「A FULL 3-D ACTION GAME」と書かれていた。
(タイニーP 2017, p. 1)
参考文献
[編集]- 「アクションゲーム」『デジタル大辞泉』小学館。コトバンクより2026年6月16日閲覧。
- Crawford, Chris (1984). The Art of Computer Game Design. Berkeley: Osborne/McGraw-Hill. ISBN 0-88134-117-7
- 藤田, 祥平 (2016-11-22). “ゲームプレイの快楽:「ストレイフジャンプ」がもたらす身体的な拡張”. IGN Japan.
- タイニーP (2017-11-17). “ガンダムの名シーンが「シューティングゲーム」という言葉を生んだ!? アクション、シューティング…ゲームのジャンル分けの歴史を徹底考察!”. 電ファミニコゲーマー (マレ): 1-2.
- シェループ (2026-04-18). “『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』なぜ大ヒット? “共感”を呼ぶ構造を紐解く”. Real Sound.
- 『OLD GAMERS HISTORY アクションゲーム編 Vol.5』、ISBN 978-4-89610-149-2、メディアパル、2014年
- 『アクションゲームアーカイブス 青編』、ISBN 978-4-89610-123-2、メディアパル、2012年
- 『アクションゲームアーカイブス 赤編』、ISBN 978-4-89610-122-5、メディアパル、2012年
- 『アプリ攻略アイテムBOOK極』、ISBN 978-4-8002-3456-8、宝島社、2014年
- 『アクションゲームサイド Vol.1』、ISBN 978-4-89637-402-5、マイクロマガジン社、2012年
- 『アクションゲームサイド Vol.2』、ISBN 978-4-89637-429-2、マイクロマガジン社、2013年